高卒が仕事熱に浮かされた結果「ゼロ・ダーク・サーティ」


各種軍用ツールやステルスBHはゲーム的で熱いんだけど、本筋に全然のれなかったなぁ。
いきなりネタバレしちゃいますけど、「高卒のネーチャンが都合良く仕事熱に浮かされて、目的達成した後、どこにも行けなくなった話」で158分は長いよ。基本「ハート・ロッカー」と同じじゃんね。あ、僕は「仕事が終わって、感涙っすわ!」っという幕切れには受け取れなかったです。「高卒でキャリアも無い君が適任」っていわれたってのは「ミスったら責任被せて干しちゃえば良いんだし」とも聞こえるわけで、CIA入局後、キャリアも無く、ビン・ラディンのみを追いかけて、今回は上手く立ち回れたけど、次はどうすんのよ?という。

実際の出来事のトレースに熱中しすぎて人物がないがしろにされているのか、尺の長さの割に主人公のネーチャン以外、キャラクターの掘り下げが無く、誰が何をしていたのかほとんど記憶に残らない。主人公が突っ走る切っ掛けになる同僚の女もマヌケ晒すだけ晒して退場しているし。
また追跡劇としてもイマイチ。テロップ出して幾つかの章立てに分けているけど、その刻み方も長さマチマチでテンポが悪い。それに盛り上がるであろう中盤の携帯発信追跡劇もガジェットの説明がされないせいなのか、字幕のせいなのか、車がグルグル回っているだけで全然スリリングじゃない。
さらに前半のアズグレイブ刑務所の拷問もちょっとソフトすぎる。爆音でHM/HR聞かせるにしても、ああいう拷問のやり方は頭を鉄製の筒で巻いてその中で曲流すってのが鉄板(実際どうかなのか知らんが、あんなことしたら周りもうるさいだろ)だし、箱に閉じ込めるにしても、箱が大きすぎ。ああいうのはキツキツの箱に入れるもんだよ。

ハート・ロッカー」は、もっとはっちゃけてた気がするんだけど、今回は中途半端すぎ。たぶん明日になったら内容忘れてるレベル。あ、ネーチャンが「私にチームをくれないなら、あんたは一生、失策カマしたアホっていわれるわい!」とブチ切れるくだりは良かった。