黒色吐息 「ブラック・スワン」


↓まずこれを見よう。(つーか、あんたら、もうちょっとバレエにも注目しておあげなさい)

現物の黒鳥がこれ。左足が死ぬという、9:30頃からの32回もグルングルンまわるグランフェッテ・アン・トゥールナンが見事だ。
ナタリー・ポートマンは、本当によくやった。”役に飲まれる役”を演じるのは、役者冥利につきるだろう。しかし、彼女、黒鳥をやるには、いかんせん背が小さいのが残念だ。

ダーレン・アロノフスキーは「π」の頃からの変わらない、同じイメージをくどくどと流し込み前半と後半で対比させるという、いつもの分かりやすい手法で、ニナが役に飲みこまれていく様を綺麗に表現できている。相変わらずクリント・マンセルの音楽との相性も良い。ただ、手癖の悪さで定評のあるウィノナの化粧道具をナタリーに盗ませるのは、いくらなんでも嫌がらせが過ぎるだろう。

また、ヴァンサン・カッセルのセクパワハラは、思ったより目に付かなかった。(嫁さん曰く「アラベスク」読めば、このパワセクハラは、昔ながらのネタだということが判るんだそうな)俺には、どう見ても”よかれと思ってエロネタを振ってるオッサン”にしか見えない。(あ、そうそう、ヴァンサン・カッセルが怒り狂ってフランス語がでちゃうの、ああいうのは絶対入れないといかんのか?)
そのヴァンサン・カッセルとの絡みで、ニナが「処女じゃない」とか言い張っていたが、寝室にファンシーな縫いぐるみをタップリと並べ、普段は偏執的なカーチャンのチェックが入るのに、それはないだろうと。まったく、「嘘つけ!この、おぼこ娘め!」

でも、あれだけ無機質な顔と体つきなのに、あのファンシーさはちょっと不自然だったなあ。今回の役のためのダイエットで余計に細くなってしまったそうだが、実際、昔からナタリー・ポートマンには肉感が足りない。まず、完全菜食主義を止めて肉喰えば良いと思うよ!

アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)

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