今年観た、人に堂々とお勧めしたい映画5本

ベスト10を上げるのがちょっと流行っているんだけど、10本も選べないよ!!というわけで、順不同の5本。今年観た、人に堂々とお勧めしたい映画。

「Kick-Ass」

一年以上我慢して、輸入版が発売されても手を出さず、年末になってやっと観たという一品。
原作漫画と違って、映画版のデイヴを取り巻く世界が「少しだけ優しい」。

「どうして誰もヒーローになろうとしないのか?」「そりゃお前、無理だからだよ」

映画版のデイヴには無理じゃなかった。無理してヒーローになろうとしたら、本当にヒーローになってしまう。しかし、漫画版のデイブは無理してヒーローになろうとしたが、体も心も傷だらけになっただけで、結局、彼の人生は変わらない。
漫画版のデイブのほうがリアルとは思うが、ラストの変更は大正解だと思う。これ漫画をそのままやられてもね・・。映像にするんだったら、ガンガン責めまくる、カタルシステンコ盛りの映画にしてもらわないと!!

まぁ、あとはとにかく、クロエ・モレッツが劣化しないことを祈るばかりだ。もう一つ言及しておきたいのは、ちょい役ででていた、ジェイソン・フレミングの不憫さ。彼の不憫役周りの選択眼は、ショーン・ペトウィーに並ぶね。

キック・アス (ShoPro Books)

キック・アス (ShoPro Books)

「7Days」

あんまり評価は高くない映画なんだけど、凄く気に入った。BGMが一切無く、淡々と娘を殺された夫婦の苦悩と、父親の犯人に対する拷問が描かれる。なーんのカタルシスも無い上、「なんか嫌なモノみちゃったなぁ・・」という鑑賞後の如何ともしがたい感覚が堪らない。
レビューはこちらhttp://namaniku.net/2010/08/29/7days/

十三人の刺客

僕はね、邦画ってこうあって欲しいんですよ。火だるまになった牛が激走してくるとか、明らかに死んでる人間が生きていたりとか。ゲスくて、なにかチープな感じでちょっと悪ノリした感じ。60年代、70年代辺りは、こんな感じ映画が年4本は作られていたように思える。

「The Loved Ones」

オージー産のはちゃめちゃキチガイ拷問ティーンホラー。本当に無茶苦茶な映画だが良く噛み砕いて観ると、うっすら張られた伏線に、ふと気がつく。そして猛烈に鬱になるという。一過性のゴアを楽しむ向きにも良し、深読み好きにも良しという良作。
レビューはこちらhttp://namaniku.net/2010/11/07/the-loved-ones/

「5150 elm’s way」

世直しを気取って、ダメ人間を殺しまくる親娘に、ひょんなことから監禁されてしまった若者の物語。”親父チェスで勝てば解放される”という意図のわからない設定。
狂った親娘、そして彼らの凶行と淡々と見守る唯一まともな母親。解放目的でチェスに奮闘する若者が次第にチェスそのものに嵌っていく様、夫と娘の行為を黙認していく内に壊れていく母親の様ラストの「善と悪」の駒使ったチェス。異形で異様な物語。
レビューはこちらhttp://namaniku.net/2010/07/31/5150-elms-way/



今年は劇場に足を運んだ回数は多かったんだけど、心に刻まれるような一品があまりなかったなぁ・・。というわけで、5つのうち、3本は輸入DVDで国内未公開です。
キック・アス」や「僕のエリ」みたいに、良作なんだけど、公開が遅れに遅れるというのは何なのか。邦画が元気だと言うけれど・・・バブル期のホイチョイ以下レベルが増えてるようにも思えるが・・・。