最近の本と音楽

奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

奇面館の殺人 (講談社ノベルス)

前作「暗黒館の殺人」がゴスっぽい雰囲気に寄せたあまりに退屈な作品になってしまった反動か、初期の館シリーズ(水車館、迷路館あたり)のノリに変わっていた。やはり時計館を頂点とした綾辻行人のキャリアの中では凡作かなと思う。2年前の「Another」が良かっただけに残念。正直この人は、ホラー趣味に走ってた方が良い物かけるんじゃないかな?っと。「囁き」シリーズの続きを書いたらいいのに。

仏陀の鏡への道 (創元推理文庫)

仏陀の鏡への道 (創元推理文庫)

「犬の力」を読んでからはまっている、ドン・ウィンズロウ。彼の出世作である探偵ニール・ケアリーシリーズの2冊目。ニール・ケアリーシリーズは完結しているので安心して読める。あと3冊あるので、のんびり付き合いたい。本作は中国を舞台に、謎の女に誑かされて重要な技術を共産諸国に売り渡そうとする研究者を追う。相変わらずニールが惚れっぽく、女がらみで窮地に陥るいつもの展開。しかし「犬の力」同様、しっかりとした取材による文革に揺れる中国の裏舞台を緻密に絡め、シリーズ最長であるにも関わらず、おそらくは最高作だと思われる。


Blouse

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ポンヌフの恋人」の花火シーン使ったPVが印象的な女性Voバンド。サウンドBlonde Redheadに近いが、もっと重心が下の方か。電車の外の夕焼けを眺めながら聴くとなかなか良い。