プロメテウス | 4年も寝てたクセに起きた途端にパコってんじゃねぇよ


元のキャッチコピーは"人類の起源を探ることは、終わりの始まりである。"と言ったものなのに、なぜか”人類の起源"という部分だけを前面に押し出して宣伝しているため、何かアカデミックなSFを期待するが、その中身はそもそも「エイリアン」の前日譚として企画されたため、根っこはガッチガチにB級SFホラー。真面目な「人類の起源」なんてものは、ホーガンの「星を継ぐもの」に任せておけば良いのである。
で、本作は荒々しい脚本にリドリー・スコットらしい美しい画。要はいつもの調子である。脚本がいつにも増して荒いので、のれないとちょっと厳しい感じがする。荒いというか、いつも以上に回りくどいのだ。そして、殆どが投げっぱなしでなにも解決せず、全部続編にぶん投げるための足がかり的な作品。毎度お馴染み未来のブラック企業ウェイランド社の社長が出てくるシーンでエイリアンのテーマが流れたり、プロメテウスが向かう惑星LV223(LV426ではない)のエンジニア基地がデューンでギーガーがデザインしたものだったりとファンサービスが過ぎる。はっきり言って「エイリアン」ファン向けのオマケエピソードみたいなもんである。

↑こんなやつ
そこそこ楽しめる作品なのだが、ノオミ・ラパスとマイケル・ファスペンダー以外のキャラクターの扱いがぞんざい過ぎるのが残念。なんだか殆どのキャラクターが緊張感が無い。(結構大変な事態になっているにも拘わらず、とりあえずパコる等)。どーせやるならシャーリーズ・セロンの「真面目なツラして、やることやってる」的なキャラをもっとガッツリ全面にだすような、小ネタがもっと欲しかった。
続編は2014〜2015年の間に公開予定だそうです。