3D映画の思い出

ギッチョさんが3D映画についてのエントリを上げていたのを読んで、僕の思い出でも書いてみようかなとふと思った。

そもそも3D映画大して進んだ技術でもねぇし、目が良かったガキの頃はともかく、ゲームだ映画だプログラムだと目を酷使しすぎた結果、今となってはメガネonメガネになるので「あー、めんどくせぇめんどくせぇ」というギミックなんだけども・・。

俺が最初に体験したのは「13日の金曜日 Part III」だ。「ねーねー!今度の13金、3D映画なんだって!みたいよー」と親にねだったら「あんなの赤と青の鬱陶しいやつだよ。目が疲れるから止めときなさい!」と言われ、「やだー!やだー!見に行く−!」っと無理矢理見に行った映画。コレは1982年の作品だけれど、赤青アナグラムではなく偏向方式の3Dだった。劇場に行ったら偏向フィルムを貼ったメガネを渡されて、「あら、赤青じゃないわね」なんて親は言ったけど、コレが結構衝撃だった。


Friday the 13thの文字が遠慮気味に飛び出てきて「なーんだ、こんなもんか」



っと思っていたらPart IIIの文字とともに、すげぇ飛びでやがんの。

田舎は基本的にライブでも芝居でもなんでもリアクションが地味なもんですが、こればっかりは「おおお!!」というミリンダを吹き出すような声が上がって、僕なんか手を前に突き出して「これ、触れそうだね!」なんてはしゃいだもんです。まあ映画自体はいつもの「13日の金曜日」なんですけどね。


で、次は、Jaws 3-D。こっちは映画もつまんない上に全然飛び出さない。おっかしいなぁ「13金」はメッチャ飛び出したのになあ。。。っと。以降、どうにか「13金 part III」の飛び出し具合をもう一度体験できないモノかと欲求不満の日々が続いたのである。

80年代初頭はそこそこ3D映画が流行っていて、他に「パラサイト」(R.ロドリゲスのThe Facultyじゃなくて、デミ・ムーアが出ているチャールズ・バンドが撮った方)、「地獄の犬」、「悪魔の住む家 Part3」あたりも一応、3D作品ではあった。この3つについては日本未公開ですけど。
また、アナグラム方式で「骸骨面」がTV放映されたこともあった。せめて「ヴィィ」にしておけば良い物をまったく意味不明でドラッギーな映像が連発する「骸骨面」というチョイス、しかも放送時間が昼でダイエーやヨーコベニマルで赤と青のメガネが配布(売ってたかなあ・・)されるという無茶企画だが、たぶん今30後半から40前半のオッサン・オバチャンには記憶に残っているであろう。

それはさておき、家でもアナグラムじゃなくてフルカラーの3Dを観られないかなぁと、悶々としていたら「VHDなら観られるらしい」となり、親にねだるもさすがにナマニク財閥といえどもそれはかなわず、いつしか3D映画への欲求も無くなっていったのでした。その後「エルム街の悪夢」の6作目やら「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」なんかもありましたが、希に浮いては、流行ることも無く消えていく3D映画。

2000年に入ると突然、誰が企んだのか家電屋と結託して何か一儲けしたかったのか、3D映画が乱発され始める。僕の好物のインディペンデントホラーにもビデオスルーのクセして3Dという「Camp Blood」なんていうクソつまらんスラッシャー映画も出るようになった。


つまんねぇんだよ!ヴォケが!

これがどれ観ても、鬱陶しいだけで全然すごくない。「3Dの空気感が!」とか言う人いますけど、「それ、あれっしょ?CGのホコリのことでしょ?はいはい、アバターすごいねー。」みたいな。ホログラムでも無い限り平べったいのが手前に出てくるだけだし、雰囲気出したいもんだから背景がボケボケだし。昔から変なギミックとして使うのが一番ベターだったのに、なんであれ「素敵なユーザー体験」みたいな売り出し方するんでしょうかねぇ。もっと下世話にやれば良いのに。あんなのバイオハザードだのブラッディ・バレンタインくらいが丁度いいんすよ。

僕にとって3D映画とはノスタルジー以外の何物でも無いんだと思う。結局13金の時のような体験は未だ再会できていないし。
もうメガネonメガネもキツイし早く廃れてくれないかなぁ・・・というのが実際のところ。